2022年のQuarog

この記事は、「防災アプリ Advent Calendar 2022」15日目の記事です。

はじめに

Fuku1213です。3年連続でこんぽ様主催のアドベントカレンダーに参加させていただきます。よろしくお願いします。

 

Quarogを公開しました

※いきなりですが宣伝です。
大変長らくお待たせいたしました(本当に、本当に長らくお待たせいたしました。)。
2022年12月15日に、Quarogを一般向けに公開しました。
これはQuarogのサイトでも書いていますが、配信等での利用を考えている場合(そうでなくても)、必ず利用規約や注意事項に書かれている内容をご理解いただいたうえでの利用をお願いいたします。
また、公開当初ですので不具合が多く見つかる可能性があります。修正バージョンも今後随時リリースしていく予定ですので、更新等にご協力ください。
現時点の予定では、2週間ほど様子を見て、2022年12月末ごろに、不具合修正をした安定版を配信する予定です。

公開サイトはこちら

fuku1213.github.io

 

2022年のQuarog

昨年のアドベントカレンダーの記事では、Quarog開発当初から記事作成時点までの経緯を綴り、最後に「私が欲しいと思っていた機能の大半を実装し終え、動作の安定感もかなり向上しています。そのため、近日中に一般公開をしようと考えています。」と記載していました。
しかしながら、実際に公開されたのは1年たった今日となりました。
長らくお待たせしてしまい、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
この記事では、昨年のアドベントカレンダーの記事から今日までの度重なるリリースの延期が、どのような理由によるものだったのかや、Quarogをここまで制作してきての反省などについて書かせていただきます。

 

延期①(近日中に公開→2022年1月公開へ)

この理由はそこまで深いものはなく、まだまだ未完成の要素が多くあったことが原因しています。アドベントカレンダーの記事執筆中は完成したと見込んでいましたが、「公開用のサイトがない」「致命的な不具合が潰せていない」などの問題がありました。
そのため、これらの完成が見込める2022年1月に公開しようと決めました。

 

延期②(2022年1月→2022年上半期公開へ)

これは、延期①で問題に挙がっていたうちの「致命的な不具合が潰せていない」が理由でした。公開用のサイトはやきじゃけ様に制作していただき、1月末には完成していましたが、受信する情報によって正常に描画・表示できない不具合などが残っており、この状態での公開は難しいだろうという判断になりました。
また、2022年3月16日の福島県沖の地震で短時間の間に複数のEEWが発表されたときの挙動など、見直す点が多く見つかったのも原因として挙げられます。
公開時期を具体的に定めることができていませんでしたが、半年もあればできるだろうと思い、公開サイトなどでは「2022年上半期公開」と掲載することにしました。

 

延期③(2022年上半期→2022年下半期公開へ)

これは、私の生活環境の変化が主な理由でした。
3月に学生生活が終わり、4月から社会人になったのですが、学生時代と比べて平日・休日の自由な時間が少なく、あまり活動できていませんでした。
そうこうしているうちに6月が終わり、流れ込むように下半期公開への変更をしました。

Githubの草を見るとわかりやすい(4~7月の草が極端に少ない)

 

UIの変更

今年1月をすぎた頃から、全体的なUIを変更したいと思うようになりました。主な理由は

  • 震度アイコンの縁色の上に文字を置くと読みづらいことがある
  • 使用しているフォントでは対応していない漢字が、観測点名に含まれている
  • 文字がかつかつに詰まっていて読みづらい
  • どれが重要な情報であるかがいまいちわかりづらい

など…

Quarogの配色だと、震度3の震度アイコン縁色で文字色とのあわせづらさが際立っていました


結局変更に取り掛かったのは先月頃です。
デザインにあたっては、上記の問題を解決するためにいくつかのルールを作って考案しました。

  • 震度アイコンの縁色の上に文字を置かない
  • 文字の周りにスペースを取り、余裕を持たせる
  • 非対応文字を出さないよう、「Noto Sans JP」フォントを積極的に活用する
  • 震度の数字フォントのみ、別フォントを用いる
  • Windows11の角丸ウィンドウに合わせやすいようにする

デザインの考案には、「Figma」を利用しました。これまでは「GIMP」を用いていたのですが、こういったデザインを考える上ではFigmaのほうが向いていると感じました。
UIの変更を一般公開前に行うことにしたのは、衝動的なものではありました。最終的にすべてのUIデザインが完成し、かつ実装しきったのはほんの数日前のことです。 

Figmaでの考案中の様子



Quarogの開発の反省

これまでの歩みからも容易に想像できることですが、Quarogの開発について反省すべきだったことは「完璧主義を追い求めすぎるとモチベーションを見出しづらい」です。
私が制作しているClock For Fukuを例にとるとわかりやすいと思います。このアプリケーションは2020年7月にかなりレガシーな状態のまま一般公開しました。そのため、公開当初は不具合や不安定な動作がたくさんあり、かなり問題児状態でした。
ですが、ありがたいことに公開してすぐに多くの方にダウンロード・利用していただけて、達成感がありました。また、「すでにたくさんの方に利用していただいているのだから、早く不具合を修正して快適に使ってほしい!」と思うようになり、モチベーションに大きく寄与していました。
また、後から振り返ったときに、バージョンを重ねるごとにどんどん使いやすくなっていることが明確にわかったため、それだけでもモチベーションアップできていました。
一方Quarogは、バージョンが増えていくワクワク感(?)や達成感を感じることがあまりなかったため、モチベーションの維持にかなり苦労しました。(実際、1か月以上Visual Studioを開かなかった時期もありました。)
さらに、一般公開されていないためにDM等で「Quarogはまだ公開されないのか」や「もうリリースするといっていた時期を過ぎているぞ」といわれることもあり、「現状のQuarogは、待ってくださっている方の期待に全く応えられていない、まるでダメだ」と開発を挫折しそうになることもしばしばありました。
リリースが後ろへずれ込むほど、それ相応以上に期待させてしまうと身をもって体験しました。
未熟な私の個人的な感想にはなりますが、他所様に迷惑が掛からないような体制(いつでも利用を停止させられる仕組みの実装をするなど)が確立したら、ベータ版と銘打ってでも良いので、だれでも利用できる形で公開すると良いと思います。

 

さいごに

担当日直前の執筆となってしまったため、あまりまとまりのつかない文章となってしまいましたが、私のこの一年の振り返りでした。読んでくださり、ありがとうございます。
最後になりましたが、いつも私の活動を応援してくださっている方、デバッグに協力していただいている方、アプリケーション内での利用等で快諾していただいた方など、本当に多くの方の支えがあってここまで来ることができました。あらためてお礼させていただきます。本当にありがとうございました!そして、これからもよろしくお願いします。 

 

おまけ

Quarogがリリースされるまでのいくらかのスクリーンショットをまとめました。

現存しているQuarogの最古のスクリーンショット

初期のUI(初期のころから、全体的な配置は変わっていません)

2020年末時点のUI

2021年3月ごろのスクリーンショット(地図の描画方法を変更するために、試行錯誤していました)

2021年8月ごろのスクリーンショット(つい数ヶ月前まではこのUIでした)

今回公開されたQuarog Ver 1.0.0のスクリーンショット